2017年度BCJA奨学金授与者

奨学金授与者リスト

2017年度のBCJA奨学生は、以下の方々です。

氏名 出身校/所属 留学先 分野
齊藤 真 東京大学医学部、London School of Hygiene & Tropical Medicine University of Oxford, Nuffield Department of Medicine 感染症、疫学
遠藤 彰 東京大学医学部、北海道大学大学院医学研究科 London School of Hygiene & Tropical Medicine 感染症数理モデル、理論疫学
田中 良法 山口大学農学部、東京大学大学院農学生命科学研究科 University of Cambridge, Cambridge Institute for Medical Research 分子神経病理学、細胞生物学
角南 槙一 京都大学理学部 University of Oxford, Department of Physics 物理学(Atomic and Laser Physics)
小田 崇晴 慶應義塾大学文学部、University of Edinburgh、Rijksuniversiteit Groningen University of York, Department of Philosophy 哲学
松原 陸 東京芸術大学音楽学部 Royal Academy of Music (Master of Arts) 音楽学(声楽専攻オペラ研究)

小田崇晴氏は英国のヨーク大学ではなく、エストニアのタルトゥ大学に留学することになり、BCJA英国留学奨学金を辞退されました。

2017度BCJA英国留学奨学金審査報告

BCJA英国留学奨学金審査委員会 委員長 白鳥 令(東海大学・獨協大学名誉教授)

2017年度も、別表の通り、無事5名の非常に優秀な研究者の方々にBCJA英国留学奨学金を差し上げることになりました。 この奨学金のために寄付をいただきました皆様(BCJA会員およびご賛同者)に、心から感謝申し上げます。

BCJA英国留学奨学金がスタートしましたのは2001年ですから、今回の授与でこの奨学金は17年間続いたことになり、今回の 授与者も含めて、BCJA英国留学奨学金の授与者総数は127名となります。現在の審査委員会の委員の一人は、2005 年度の奨学金受領者で、ケンブリッジ大学に留学された方です。こうして見ますと、時の流れの速いのを感じると共に、この奨学金 制度を支えて下さったBCJA会員の皆様の温情に、頭の下がる思いです。

BCJA(British Council Japan Association)は、その発足時には、英国政府外務省文化部の位置付けであった British Councilが運営していた「British Council Scholarship」(英国政府奨学金)を受領して英国の教育 研究機関に留学した人々を主たる会員とした親睦団体だったのですが、1990年代になり、日本は富裕先進国だと英国政府が 判断してBritish Council Scholarshipの適用国から日本を除外する決定を行ったのを契機に組織を改革し、会員 資格を英国に留学した経験のあるすべての人々に拡大・開放すると同時に、日英間の学術交流を維持・促進する目的で、BCJA 会員からの寄付による英国留学のための奨学金を2000年に創設、2001年から運用を開始したのです。

この豊かな時代に、また日英大学間の学術交流が盛んな時代に、「わずか15万円の奨学金で何が出来るか」と言う批判のある ことも確かです。しかし、日本の教育研究環境はまだ貧しく、大学の研究費は減額傾向にあり、オーバードクターや非常勤の講師・ 研究員は増加の現実があり、特に人文社会科学や音楽芸術系では研究滞在や留学の機会が多いとは決して言える状況では ありません。本年も、この奨学金に56名の非常に優秀な研究者・学生の応募があった事実が、この奨学金の必要性を示して 居ます。

私共は、選考に際して、特に留学資金の援助を得る機会の少ない人文科学や芸術の分野にも 留意するようにしています。本年度も、非常に優秀な歴史学分野の研究者が居たのですが、 残念ながら僅差で選考されませんでした。この奨学金の受領者の多くが、「この評価の高い奨学金を受領出来たことを名誉だと思い、 その後の大きな励みとなった」との感想を述べています。審査員一同は、BCJA英国留学奨学金を「出来るだけ評価の高い奨学金 にしよう」との姿勢で審査して居ます。「金銭的には15万円で少額であっても、それを貰うことが名誉であり、その後の励みとなり、 その後のキャリアに役立つ」、そんな奨学金にしたいのです。オクスフォードやケンブリッジでは、今でも講義に出る時やカレッジでの夕食 の際に学生はガウンを着ますが、大学の認める奨学金の受領者のみが長い袖のガウンを着ることを許されます。奨学金は金銭的な 扶助であると同時に、名誉の象徴なのです。だから、「金持ちの貴族は奨学金に応募し、長い袖のガウンは着るのですが、お金自体は 受け取らないことがある」と何年か前にこの欄で書きました。このBCJA英国留学奨学金でも、昨年、奨学金受領者の一人が 「奨学金は受け取らないが、奨学金受領者の名簿にはそのままとどまりたい」との希望を述べ、承認されました。英国の大学や研究 機関で、BCJA英国留学奨学金の授与歴を、他の奨学金を与える際の参考としている例が聞こえて来ているのは、嬉しい限りです。

今回の奨学金受領者の名簿を確定する際に、BCJA会計の島津幸男(山口県在住)さんが、「今後ともこの素晴らしい奨学金制度の 存続に向け、ご一緒にいろいろ知恵を出してまいりましょう」とメールに書いて下さいました。BCJA会員の皆様、どうか日英間の学術 交流を支えるために、また団体としてのBCJAの存在価値を未来に向かって高めるために、BCJA英国留学奨学金に対し皆様のご厚情 をいただきたく、お願い申し上げます。

BCJA英国留学奨学金の寄付の方法

◆ 寄付金額: 一口5,000 円(可能なら2口)

◆ 口座番号: 00180-0-426794 (ゆうちょ銀行)

◆ 加入者名: BCJA 奨学基金

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