2011年度BCJA奨学金授与者

奨学金授与者リスト

今年度のBCJA奨学生は以下の方々です。(当初、8名を選考としましたが、2名の辞退者がありました。)

氏名 出身校/所属 留学先 分野
斎藤 雪絵 慶應義塾大学 University of Oxford 経済地理学
河野 雄太 東京国際大学 University of Bradford 紛争解決学
緒方 健 東京大学 University of Cambridge 材料科学(電子工学、プラズマ科学)
高野 友香 中央大学 School of Oriental and African Studies (SOAS), London 翻訳理論(日本語、英語、アラビア語)
坂井 健二 金沢大学 University of Southampton 医学(神経内科学、神経病理学)
椎名 由美 千葉大学 Imperial College, London 医学(心臓病学)

2011年奨学金審査委員会ご報告と募金のお願い

2001年から始まりましたBCJA英国留学奨学金は、今年で11年目、新しい歴史をつくる年度となりました。本年も、昨年に引き続き8名の方々に奨学金を差し上げることができました。授与者として選出されました方々は、いずれも、業績・能力の点でも英国留学の動機の明確さの点でも非の打ち所のない優秀な、英国の大学院レベルの学術研究機関から既に受入の決まっている方々で、今後の活躍が期待されます。奨学金のためにご寄付いただきましたBCJA会員の皆さま方、審査を担当されました委員の先生方に、心からお礼を申し上げます。

本年度の応募者総数は80名で、昨年度の54名を大きく上回りました。この3年間を見ても、2009年の41名、2010年の54名、2011年の80名と、年を追うごとに応募者が増えています。奨学金の額がわずか15万円という少額のBCJA奨学金にこれだけの応募があるのは、現在の経済状況を反映していますが、同時にもっと他の理由もあると思われます。

われわれBCJA会員の多くは、かつて英国政府(British Council)奨学金で英国に留学しました。私自身も、1963年からBritish Councilの奨学生としてOxford大学のPembroke Collegeに留学し、貴重な経験を得ることができました。ところが、現在、国家公務員等フルタイムの職務経験を有する限定的な人々を対象としたチーブニング(Chevening)奨学金のような奨学金はありますが、かつてのBritish Council奨学金のような、誰でもどの分野の専攻でも応募できるオープンな英国留学の奨学金が存在しません。British Council奨学金は、日本が先進国となった現在、日本からの留学生には適用されていません。昔British Council奨学生で英国に留学された多くの方々が、現在日本の学界や実業界で指導的な立場に立って居られることを考えると、かつてのBritish Council奨学金のようなオープンな英国留学奨学金が存在しないことは、日英関係の広範な支持基盤の将来を考えると、決してよいことではありません。BCJA奨学金は、額は少額でも、この隙間を埋めているのだと思います。

BCJA奨学金への応募が増えているもうひとつの理由は、この奨学金の授与者の質の高さが評判となっているためだと思います。現在、英国のいくつかの大学や研究機関が、この奨学金の授与者に追加的な奨学金授与を検討しています。BCJA奨学金の授与者には、British Councilの代表から推薦状が発行されますが、これによって例えば医学の分野では、診療に際してより広範な研修への参加が可能となっています。私共は、BCJA奨学金授与者の質の高さを今後も維持し、額としては少額でも、名誉ある奨学金としての評価を高めたいと考えています。

現在、BCJA奨学金は、BCJA会員の募金によって維持されていますが、先月、ある地方在住のBCJA会員から、「英国留学で貴重な体験を若い頃に得たので、遺言の中で、遺産の一部をBCJA奨学金に寄付したい」との申し出がありました。奨学金委員会は、感謝の気持ちで、この申し入れをお受けしました。私も、若い頃の英国留学の経験に報いたいと、英国エセックス大学の比較政治学の教授職を1983年から1990年迄つとめましたし、エセックス大学在職中に、三和銀行のご厚意で約4億円の寄付を同行からエセックス大学に行うことができました。多くのBCJA会員の皆さまの善意の行為が、日英の学術文化関係を草の根で支えているのだと考えています。どうぞ、このBCJA奨学金を維持し育てるために、今年度も、BCJA会員の皆さまからBCJA英国留学奨学金口座へのご寄付を心からお願い申し上げます。

来年度のBCJA英国留学奨学金応募要領等の詳細は、来年4月初旬にBCJAのホームページに発表する予定です。

BCJA英国留学奨学金審査委員会 委員長 白鳥 令

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